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2012-2015東日本大震災被災者支援
〜福島県飯舘村での健康増進活動事業〜
TOHOKU - PACIFIC OCEAN EARTHQUAKE


 

「全村見守り隊支援」第九期事業:五次本隊 報告書

派遣地・期間 : 福島県飯舘村いちばん館・2015年12月26〜27日

健康相談所の様子 健康相談の様子
   
 
健康相談所の様子 健康相談の様子

活動概要
平成27年12月26日朝9時に東京駅を出発した医師・看護師(各1名)は、福島駅でBHNスタッフ(2名)と合流し、同日午後12時過ぎに飯舘村いちばん館に到着した。

<開始・終了時間>
26日(土)12時30分〜16時
27日(日)8時〜11時30分

医療相談について
 【相談者数・年代】
26日(土)8人(女性7人、男性1人)/27日(日)10人(女性6人、男性4人)
年代別人数:50歳代5人、60歳代12人、70歳代1人
医師・看護師各々場所を設置し、利用者の希望や相談内容を確認しつつ対応をした。看護師が対応した中でも相談内容に応じてさらに医師に相談することを勧め、両職種の相談を受けられた方もいた。利用者の中にはハンドマッサージを介してリラックスしていただき、利用者の緊張をほぐしながら話を聴かせていただいた方もいた。

飯舘村の現状について
飯舘村は避難指示区域となってまもなく5年を迎える。居住制限区域は立入可能であっても、未だ自宅に戻ることができない状況が続いている。平成29年3月には避難地域指示解除が予定され、国は避難解除に向けて準備を進めている。しかし、この解除の時期については飯館村議会や村民の理解を得られているとは言えず、村民や見守り隊の人々にとって未だ現実的な帰村のめどが立っていない状況に変わりはない。近郊市町で新たな生活をスタートさせた人々にとっても将来への不安は拭いきれない状況下におかれている。

時間の経過とともに見守り隊の雇用形態・内容について見直しが図られている。今回のHuMA派遣者 は2012年度の活動当初から複数回にわたり参加しているメンバーであったことから、見守り隊のさまざまな変化を感じることが多かった。例えば、当初は放射線量に配慮して隊員が屋 内で待機する時間も長く、隊員数も多く見受けられたが、現在は館内で待機する時間は短い上、隊員数 も当初に比べると減少している。従って、見守り前に少しでも多く医療相談活動ができるよう、BHN スタッフが我々の現地入りの時間を調整してくれていた。

飯舘村での活動で気付いたこと
●脳血管疾患の既往がある隊員が医師の相談を受け、喫煙の影響を改めて知ったことでその場で禁煙宣言をした人がいた。禁煙への行動変容は容易ではない中で、短時間の相談で禁煙の必要性を理解し、持っていたタバコをBHNスタッフに預ける姿が見られた。普段の医療機関受診ではなかなかみられない、ゆったりとした環境下で、本人への気づきの促しや行動変容をもたらす医療相談の有効性を感じることができた。

●「家が建替えられたり修繕されたり、新居を構える他人の状況を目にすると、わが家の復興の遅れや取り残され感を抱いて、よりストレスが強まる」と吐露した隊員がいた。そのような思いから、復興期ならではの被災者の心理を知った。複合災害であり、かつ先の見えない状況下にある村民・隊員の生活再建・復興状況は、さまざまであり一様ではないことを痛感した。

●借り上げ住宅、仮設住宅での生活は5年という長期化をしているものの、住まいの不便さ、不自由さのストレスは軽減されず心身の慢性的な疲労になっていた。

●認知症の家族とともに借り上げ住宅で避難生活を送ったところ、リロケーションダメージによる症状の悪化がみられ、慣れない土地で不自由な生活をしながら介護生活を送った隊員がいた。借り上げ住宅では隣近所との交流がなく、新しいコミュニティは形成されなかったとのこと。「容易に相談できる環境ではなかったことが何よりもつらかった」という言葉からも、地域住民同士のつながりの重要性を感じた。

●週に3日程度の見守り勤務であるため、休日の過ごし方次第で活動量に違いが出てくる。体重が増加したままの方や生活習慣病の恐れがある方などに食事内容の振り返りを一緒に行ったり、消費エネルギーを稼ぐポイントなどについてアドバイスを行った。

●相談者やその家族は、何らかの薬剤を服用している方が多い。てんかん薬を処方されている方に薬の管理の仕方を、降圧剤の飲み忘れがある方には正確な服薬の促しを、そして抗不安薬や睡眠導入剤を服用している方には生活上の留意点などについて、隊員と共に再確認をした。

●長期にわたり定期的に現地で活動しているBHNスタッフの方々が、見守り隊隊員と私たちHuMAを繋ぎ、スムーズに活動できるよう調整してくださっていると痛感する。改めて感謝の意を表したい。


活動における改善等について
見守り隊の人数が削減され、且ついちばん館での彼らの待機時間も短くなり、気軽な健康相談が以前より困難となっている。HuMAからのスタッフ派遣も2か月に1度と頻度も減少しているが、見守り隊の人々が抱える日常生活や健康に関する悩みや不安を解消しうる健康相談事業は今後も存続させるべきであると考える。引き続き長期の支援を追求するならば、BHNスタッフの負担も考慮して通信手段を活用した遠隔診療、例えばSkypeを活用して月に1度、時間を設定して健康相談を受けること等の試験運用を提案する。医師や看護師が血圧を測定したり診察したりハンドマッサージを施したり相談者とのスキンシップを図る事はできないが、こういう形態の支援の導入も積極的に検討するべきと考えた。

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