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HuMAの活動
2015常総市豪雨災害に対する看護支援



報告書(四次隊)

2015年10月29〜31日・常総市あすなろの里

活動動内容全般について
保健師とともに避難所入居者の健康管理をするとともに、今後の避難所内での医療者の活動方法の検討を話し合った。

健康管理では毎日10時に作業室での血圧(VS)測定を行い、入居者の健康チェックを行った。VS測定は入居者の方々の健康管理だけでなく現状の不安や思っていることなどを聞ける場であるとともに、VS測定が室外にでるきっかけになっているように感じられた。作業室に来ない健康管理を要する入居者の方に対しては、作業所でのVS測定後、各部屋を訪室しVS測定や健康相談を行った。

環境整備については、これまでの派遣者が換気や掃除の促しをしており、各入居者で分担し、実際にきちんと行えていた。また、あすなろの里のスタッフのが定期的に放送で換気を促していたのも効果的であったと思う。消化器感染の暴露予防に毎日トイレの汚染確認は引き続き行っていた。

具体的な医療介入としては、VS測定以外に健康相談、巡回診療医や訪問看護師への情報提供、感冒症状や軽い怪我に対する処置、気切口のガーゼ交換等を行った。また、連日PT/OT(理学療法士/作業療法士)、巡回診療医師、訪問看護師等の医療者の訪問があり、保健師とともに情報共有し、継続した介入が今後もできるよう記録に残し申し送りができるようにしていた。

リーダシップをとっている保健師は、平日は嘱託勤務の方が交代で来ており休日は市職員の方が来られている状況であった。保健師も避難所開設時から関わっているものの、あすなろの里に来る期間があく時もあり、状況の変化に戸惑っている思いも聞かれた。

医療相談について
派遣期間の3日間で消化器症状の訴えがある避難者はいなかったが、昼夜の温度差が大きくなってきており感冒症状を訴える方が増えてきている状況であった。感冒症状を呈している方に対しては体温測定や症状に対して市販薬を渡し、翌日の症状を確認し、希望があった場合は病院受診の手続きの対応を行った。その他では、気温の低下に伴い持病の神経痛や整形外科的疾患の疼痛を訴えている方が数名おられ、各自の対応法に問題がないか確認し、追加で緩和方法を伝えた。また感冒症状の方が増えてきている事を入居者の方に伝え、手洗い・うがい・換気を促し、予防に努めるよう説明を行った。

高齢者の方の中には多量の内服薬を服用されている方が多く、服用間違いの疑いがある方や、本人から内服薬の確認をしてほしいと依頼があった際には一緒に内服薬の確認を行った。

訪問先の状況について
あすなろの里は宿泊施設であることもあり、施設内容は充実していたため施設設備についての不満の訴えを聞く事はなかった。また、避難所解説から1か月以上たっており、各々でコミュニティーも形成されており、入居者間で介護の助け合いや子供の面倒を見るなど協力される姿も多くみられ、目立ったトラブルは見受けられなかった。

食事に関しては隔日の間隔で炊き出しボランティアの方が来られており、夕食はバラエティに富んでいる様子であった。しかし昼食は毎日カップ麺とおにぎりとなっており、麺類をすする事が苦手な高齢者からは不満の声も聞かれた。食堂のスタッフはあすなろの里の近所に住んでいる方の有志で成り立っており、連日の食事調理に疲弊してきているという声が聞かれ、それに対応する形で11月からは月曜・火曜日はお弁当の配給に変更する事になっていた。

一部の喫煙者が喫煙場所を守らないため、あすなろの里のスタッフから苦情が出ており、入居者の方々には火事の恐れがあるため喫煙所を守るようアナウンスした。しかし、数人から「2か月ほど何も言ってこなかったのになぜ今頃言ってくるのか」と苦情があり、その都度説明を行い了承してもらえるよう働きかけた。

洗濯物や靴などの盗難事件は時折聞かれたが、故意ではなく似た衣類や靴であったため間違えていたと分かった。

派遣期間の3日間でも徐々に冷え込みが強くなってきており、冬物の衣類を探している入居者の方を多くみた。しかし冬物衣料の分別がまだきちんとされていない状況もあり、介護業務のない時には介護士やボランティアスタッフが衣類の分別等をして取りやすくする工夫をしていた。

あすなろの里での活動で気づいたこと
発災から約1か月半経過している状況での支援活動となったが、現状での医療介入は少々過度になっていると感じた。連日各部屋を訪室し様子を伺い健康管理を行っていたが、自力で室外に出られない入居者はおらず、医療者が訪室することで受け身の姿勢を逆にとらせてしまっているのではないかと思われた。保健師、医療ソーシャルワーカーと現状についての振り返りを行った際、派遣されている医療スタッフは同様の思いを抱いており、入居者の方が自発的に健康相談を保健室(医療派遣者の待機場所)に出向くような関わりに変えていく必要があるという意見で一致した。急激な変化は入居者が戸惑う恐れがあるため、徐々に介入方法を変化させていくプランを今後考えていくということになった。また、市職員の保健師は再度、社会福祉事務局に避難所の現状を説明し医療職の派遣内容について見直しを依頼するとの言葉が聞かれた。これまで発災急性期から短期間で多くの医療者の介入が入っていたため、状況に合わせた介入度を変化させていくことが難しい状況であったと思われる。しかし要観察者の入居者が減少し避難所の閉鎖が聞かれたことにより、今一度現状を見つめ直し、現在の介入について各々の意見を表出し話し合うことが出来た。

保健師や医療ソーシャルワーカーは週に1〜2日ほど休日を取れてきており、疲弊度は以前に比べると疲労は緩和されてきている様子であった。しかし、看護師や介護士が短期間で変わる状況であり、その都度オリエンテーションや説明をしなければならない状態を負担に思っている可能性も考えられたため、一次隊看護師が作成した業務分担表や患者申し送りシートにさらに手を加え、用紙上で入居者の情報収集や注意点が分かるようにした。また、今後の派遣看護師にも継続的に情報が流れていくように、週末毎に修正してもらえるよう記載した。

現在の入居者の多くは社会的弱者が多く、市や医療ソーシャルワーカーのサポートなしでは退去できない状況である方が多く見られた。その現状については保健師も理解しており、今後は医療的な面よりも福祉的な介入を増やしていく必要があるとの言葉が聞かれた。このような状況から、11月末の避難所の閉鎖後にも入居できる2次避難所や、一時的な仮説住宅等居住に関するサポートが今後は必要になってくるのではないかと考えられた。

その他
HuMAからの派遣としては最後の看護師であったが、他派遣看護師からのメールでの情報提供や申し送り内容が非常に役立った。また、一次隊看護師が作成したシートに関しては、非常に使いやすく短期で交代する医療者に有効であったとの意見が聞かれた。実際に私自身もシートがあったことによって活動導入がスムーズに行えた。規定の申し送り方法はなかったが、先遣の派遣者の工夫によって、申し送りで特に困るようなことは感じなかった。私の場合は、HuMA最終隊看護師として他団体の看護師への申し送りをしなければならなかったため、シートに記載する情報をさらに詳しくするとともに、不明な点があった場合のために自分の連絡先を保健室の掲示板に表示し、随時対応する旨を保健師に伝えた。

今回は一人での派遣実働であったため、NPO連絡会議には1度のみの参加となった。その際に自団体の活動終了の旨を伝えた。また実働時も各職種で別れて活動しているため、活動中の写真の撮影を行うことは難しかった。

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